土地や家などの不動産を売買する際にどのような問題が起こるでしょうか。ここではしばしば取り上げられる不動産売買トラブルを見ていきます。
⑴土地の境界が未確定であったときの隣人トラブル
普通、土地の上には建物が建っており、見た目で境界が確定しそうですが、厳密には確定できません。また、土地と土地の間に塀などを作ってそれで区画を整理している場合は特に住宅街で多いですが、塀などを作っていない場合には隣人との間で主張する境界線が異なる場合が出てきます。また、塀を立てている場合でも、昔に建てた塀であれば経緯が不明だったり境界に正しく設置しているのかあやふやだったりして、両者の主張が食い違うことがあります。これが境界紛争に発展することもありますから、明らかでない場合には、土地の売却前に専門家に測量を依頼して土地の境界を確定する必要があります。もし土地の境界を明示しないまま土地を売却してしまったら、後に訴訟になることもあるからです。
⑵移転登記をしないままの不動産の買収
不動産の売買契約をするときにはその不動産の所有権の移転登記も行う必要があります。というのは、不動産の所有権は登記をしなければ第三者に対してその所有権の主張をすることができないからです(民法177条)。ともすると、例えば売主が不動産を売却したのに所有権移転登記を経ないまま、売買がなされていたことを知らない他の買主(第三者)に同一の不動産を売った場合に、最初の買主は所有権を第三者に対して主張できなくなるわけです。このように不動産取引の安全の見地から、所有権を主張するには移転登記を経ておくことが必要になります。
⑶不動産の瑕疵による契約不適合責任
不動産の売買契約も一般的な売買契約の1つですので、当然民法上の売買契約の規定が適用されることになります。このときに大事なのは売主が不動産についての重要事項を買主に伝えていなかったりすることで、契約当事者が締結した売買契約の内容に不適合な不動産を引渡した場合に、売主は契約不適合責任を負うと解されています。このときに、買主は売主に対して追完請求(民法562条)・代金減額請求(同法563条)・損害賠償請求及び契約の解除権の行使(同法564条)を行えるとされています。要するに、契約に直結する重要な事項を説明していなかったり、キズのある不動産を引き渡したりした場合に売主はその不動産の修繕や代金の減額、買主の利益の補填をしなければならない場合があるということです。
この契約不適合責任は、2020年4月1日に施行された改正民法により規定された責任であり、従来の瑕疵担保責任よりも売主の責任が重くなったといえます。
ここでは、以上の三点を確認しましたが、具体的なトラブルは千差万別であり、その分個別の検討が必要です。よって不動産関係でトラブルを抱えている場合には弁護士に相談をすることをお勧めします。
柳原法律事務所では不動産トラブルに関する相談を承っております。不動産トラブルに関してお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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